矢野 優一「夢に志を」

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“Ambitious”のその先へ

“Boys, be ambitious”

皆さんも一度は目にしたことがある言葉ではないでしょうか。有名なクラーク博士が教え子たちに残した言葉です。

私が皆さんと同じ年代の頃、一つの夢がありました。それは「コンゴに行きたい」というものでした。高校3年生の時、授業に当時のコンゴブラザビル教会の会長さんが来られ、肌の色も言語も違う方が天理教の話をしている姿に衝撃を受けました。

いつかこの方が暮らす国に行き、同じように天理教の話をしてみたい。そう強く願うようになりました。

その後、20代の後半になり、ありがたいご縁を頂いてコンゴ共和国の教会に一週間ほど滞在し、会長さんや教会につながる方々と交流させていただきました。

夢に向かって願い、努力することの大切さを学べたこと、またその過程で素晴らしい出会いを頂けたことは、私の掛け替えのない財産です。

ただ、反省もあります。それは、その夢には自分の願望が多く含まれていたということです。「フランス語を勉強し、コンゴに行けば、自分の人生にプラスになる」という思いが、心の大半を占めていたように思います。

「自分のためだけを思った夢は野心であり、自分を含む周囲の人のためを思った夢は志になる」という言葉があります。

冒頭の“ambitious”という言葉には本来「野心」という訳もあるのですが、それを「大志」と訳した背景には、クラーク博士にも、翻訳した方にも、“人のための夢を持ってほしい”という願いがあったのではないでしょうか。

「野心」から「志」へ

『信者の栞』にある「誠真実」の項目に、このようにあります。

互い立て合い、扶け合いが第一でございますによって、少しでも、人のよいよう、喜ぶよう、救るように、心を働かしていかねばなりません

また『天理教教典』の「第十章 陽気ぐらし」にも、

互立て合い扶け合うてこそ、陽気に勇んで生活して行ける

と示されています。

夢を実現するには、自分の願望である「野心」も必要かもしれません。けれど、それ以上に大切なのは、人のたすかりや喜びを願う「志」を、心に育てることだと、私は自身の経験から感じています。

「夢」という目的地に、「志」という羅針盤を携えて進むこと。それが、陽気ぐらしの世界へ一歩ずつ近づいていく道なのかもしれません。

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