坂本明人「何のために信仰しているの?」

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一言で伝えてください

私には天理教校専修科で受けた授業の中で、強く印象に残っていることがある。

講師の先生が皆に対して、「あなたは何のために天理教を信仰しているのですか? と聞かれた時に、分かりやすく一言で伝えるならどのように言うのか? 一人ずつ順番に答えてみよ」と尋ねたのだ。

私はその問いに対して戸惑い、頭が真っ白になったことを覚えている。

周りの同級生たちも同じように戸惑っているように感じたが、それぞれが考えを絞り出し質問に答えていった。

「親が信仰していたから」

「親が喜んでくれるから」

「陽気ぐらしを神様が望まれているから」

「ご恩報じが大切だから」

「いんねんを切り替えるために必要だから」

など、いろいろな回答が出たが、その間先生はずーっと目を閉じておられた。そして全員の発表が終わるとおもむろに目を開け、

「みんな全然分かってないな。何のために信仰するのか? それを一言で伝えるのなら、それは……幸せになるためやろ!……そう違うか?」

と言われ、私はハッとした。そして心からその通りだと思った。

当時の私は天理教を信仰する者は、自分の幸せを考えたり求めたりしてはいけない。慎みの中、苦労を求めて歩むことが、この道の信仰だと思っていた。

しかしこの授業を通して信仰とは幸せになるための道であると私は思うようになった。

幸せを願って

それから約20年の月日が流れ、私は4人の子どもを持つ父親になった。子どもたちには自分たち夫婦以上に幸せになって欲しいと願い、夫婦そろってこの道を歩ませていただいている。

もちろんその幸せとは金銭など物の豊かさではなく、今与えられている状況を喜べるような心の豊かさである。そして大切な仲間や、手本となる人に恵まれるようにと願っている。

そんな日々を過ごしている中でふと思うことは、両親も私自身が幸せになれるようにと、願いを込めてこの道を歩んでくれたということ。そして人類の親である親神様・教祖は、世界中の人々が幸せになれるようにと、この道をおつけくださったのだということ。

誰もが幸せを味わえるこの道にお引き寄せいただいたことに感謝し、この信仰を子どもたちに、そしてまだこの教えを知らない方々に伝えられるように、これからも努力を続けていきたい。

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