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はじめに
これまで「月日のやしろ」「ひながたの親」という教祖の二つのお立場について説明してきました。今回は三つ目の「存命の理」についてお話しを進めていきます。
01.つとめの急き込み
当時は、信仰の自由が今ほど認められておらず、教祖や信者たちは、教えを広めたり、おつとめを行ったりすることで、警察から厳しい取り締まりを受けていました。教祖自身も、たびたび警察に連れて行かれ、監獄に入れられることがありました。
そうした世間のさまざまな激しい迫害のなか、教祖は一貫して「つとめをせよ」と急き込まれました。けれども、つとめをすれば、ご高齢の教祖がまた警察や監獄に連れて行かれることになります。そのため、人々は教祖の身を案じ、なかなかふみ切れなかったのです。
そうしているうちに、教祖のご身上が次第に差し迫ってきました。そこで、これは一体どういう親神様の思召なのかと、教祖にお伺いします。そのようなことが幾度となく繰り返されました。こうした人々と教祖との問答は、『稿本天理教教祖伝』で詳しく読み解くことができます。
この問答のなかで教祖は、つとめをするという真実の心を定めることの大切さを諭されたうえで、なおも人々の心の成人を促しました。
そして、人々の心が定まり、明治20年陰暦正月26日(陽暦では2月18日)に「おつとめの時、いかなる干渉があっても、命捨ててもという者のみ、おつとめをせよ」との初代真柱様のお言葉を受け、午後1時ごろの真っ昼間に、人目もはばからず、鳴物を入れて堂々とつとめに取り掛かりました。

当日は、何千人もの参拝者がいましたが、ついに巡査は一人もやって来ませんでした。つとめを最後まで無事に終えることができたのです。これは人々にとって、驚くべき出来事でありました。
しかし、教祖は、陽気な「みかぐらうた」の音を満足気に聞きながら、ちょうど十二下りの最後のお歌が終わる頃、眠るがごとく、現身をお隠しになられたのです。
02.教祖存命の理とは
人々は、つとめをすれば、教祖は必ず元気になってくださると思っていました。また教祖は、以前から115歳定命と仰せになっていたので、115歳までおいでくださるものと堅く信じていました。それが思いがけなくも、90歳で現身を隠されたので、人々の嘆きとやるせなさは相当なものでありました。
人々は、飯降伊蔵先生を通して親神様の思召をお伺いします。すると次のような「おさしづ」がありました。
「子供可愛い故、をやの命を二十五年先の命を縮めて、今からたすけするのやで。しっかり見て居よ。今までとこれから先としっかり見て居よ。」
「教祖が25年先の命を縮めて、90歳でお隠れになったのには理由がある。教祖の姿があれば、教祖が連れていかれると思って、つとめをすることができない。それではいつまで経っても、世界の人々はたすからない。だから、子どもである人間が可愛いゆえに、教祖は姿を隠して世界中をかけ巡り、これからたすけをする。そして不思議なご守護とともに、伸びゆくお道の姿を見て、教祖が存命で働いているということを、心から納得してほしい」と、このように述べておられるのです。
みなさんの手元にある『天理教教典』を開いてみてください。第一章の最後のところに、教祖のことについて述べられた一節があります。
「一れつのたすけを急き込む上から、姿をかくして、存命のまま、恆に、元のやしきに留り、扉を開いて、日夜をわかたず守護され、一れつ子供の上に、尽きぬ親心をそそがれている。」(13〜14ページ)
「一れつ」(一列)という言葉は、特に江戸時代や明治時代には「一同そろって」「等しく一様に」「みんな」「同じ仲間」といったことを意味していました。現在とは少し用法が異なります。それを意識して読むと、教祖のお言葉の味わいがすごくよく分かってきます。「世界一れつ」や「一れつきょうだい」など素晴らしい表現がお道にはあります。
教祖は姿を隠されましたが、今もなお、そしていついつまでも、元のやしきにとどまり、さらには世界中をかけ巡って、夜も昼も絶え間なく子どもである私たち人間を導き、ご存命でお働きくだされているのです。そのことを、私たちは「存命の理」と申し上げています。
次回は、第二章「たすけ一条の道」です。教祖がつけられた「たすけ一条の道」とは、具体的には「つとめ」と「さづけ」です。「つとめ」とは、どのようなものなのか、なぜ大切なのか。また、個人の身上に取り次ぐ「さづけ」の理についても説明していきます。
今回の語り合いテーマ
グループを作って、次のような話をしてみましょう。
心の中で自分自身に問いかけてみるのも良いかもしれません。
- 教祖を拝する時、あなたはどのようなことを感じますか?
- 今までお道を通る中で、存命の教祖の温もりを感じたことはありますか?
- 今、教祖にお伝えしたいことはありますか?
皆さんの声を聞かせてください
この連載は、私が一方的に話す場にしたくはありません。みなさんが感じたことや、ふとした疑問や「どうして?」と思ったことを、ぜひ聞かせてください。どんなに些細なことでも、まとまっていなくても大丈夫です。
素直な感想や疑問を、学生担当委員会の広報部まで届けてください。
みなさんの言葉が、この連載にとってとても大切なものになります。みなさんとのやり取りを、心から楽しみに待っています。
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