有光洋子「父が教えてくれたこと」

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父の姿

皆さんは自分の家族、親は好きですか? 私は大好きです! ただ、父に対してはずっと素直になれずにいました。

父は私が5歳の時に病気になり、しばらく入院生活を送っていました。無事に退院することができましたが、右半身のマヒと言語障害が残りました。父は教会の会長就任後に病気になったので、障害を持ったまま会長を続けてくれていました。

体が不自由な中、朝夕のおつとめを欠かさず勤めていくうちに、少しずつ声が出るようになり、家族や近い人なら言葉も理解でき、月次祭ではゆっくりながらも祭文を読めるようになりました。日常生活では車の運転ができるくらいに回復するなど、たくさんのご守護を頂きました。そんな中、父は2年前に出直しました。

本当に大変な中だったと思いますが、弱音を吐かず、会長を務めていた父は本当にすごかったと今は心から思います。ただ、当時の私は病気になる前の父を覚えておらず、私が思い出すのは障害のある姿だったので、それが当たり前のように思ってしまい、ありがたいことだと頭で分かっていながらも素直になれず、周りと違う父の姿に不足して過ごすことが多々ありました。

ちょうどそんな時、いろいろな所で「親」に関連した話を聞きました。毎回自分に言われている気がして、今度入院から帰ってきたらもっと素直になろう! と思っていました。しかし、最後は会うことができずにお別れをしました。もう会えなくなる、話せなくなると思うと、もっと話せばよかった、優しくしたらよかったとすごく後悔しています。

伝えられるうちに

父が出直してから、たくさんの人が父の話をしてくれました。当たり前だと思っていた父の姿にはたくさんのご守護と努力、周りの人の支えがあったのだと改めて感じることができました。また、父が出直し、落ち込んでいる時、周りの人や友達がそばにいて励ましてくれたことで、とても救われました。父の出直しという節を通して周りの人の温かさ、大切さを感じることができました。

家族や大事な人、近い人ほど感謝の気持ちを伝えるのは難しくありませんか? いることが当たり前のように思ってしまったり、伝えるのが恥ずかしかったり。今でもそう思うことがありますが、私自身素直になれずにとても後悔したので、相手の顔が見れる時に感謝の気持ちや温かい言葉を伝えられるようになろうと思います。

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