宮内皆子「愛情たっぷりな伏線」

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重なる姿

「そういうことかー!!」私は伏線の張り巡らされたドラマ、アニメ、小説などが大好きです。初めはさほど重要ではなかったことが、物語のラストで重要な役割を果たしていた時にはワクワクと高揚感でいっぱいになります。このような物語が好きになったのは高校生の時に読んだ小説がきっかけでした。

話は変わりますが、私は高校時代、バスケットボール部に所属していました。高校からバスケを始めたので練習についていくのに必死でしたが、いつの間にか夢中になっていました。そんな中、ある日の試合で私はけがをしてしまいました。自分の足からブチ! と音がして足首の靱帯が切れてしまいました。病院の先生からは「半年は走れないなあ」と言われショックでわんわん泣いたのを覚えています。

「悔しい。やっと試合に出れるようになったのに。なんで今なんだろう。なんで私なんだろう…」と、その当時は何回も考え、落ち込んでいました。

けがをしてからは、毎日寮の幹事先生がおさづけを取り次いでくれました。そしてその度に毎日添い願いをしてくれた友達。悔しさやどこにぶつけたらいいか分からない憤りが、おさづけを取り次いでもらっているうちに、けがを喜ぶことはできなかったものの、こんなにたくさんの方が神様にお願いしてくれて、何とも言えない温かさを感じ「ありがたいなぁ」という気持ちに少しずつ変わっていきました。

それから数年後、母校の高校の寮幹事をさせていただくことになりました。ある日のこと、初心者でバスケ部に入った担当生徒がけがをして寮に帰って来ました。検査結果は前十字靱帯損傷。練習を毎日頑張っていた最中の大けが。彼女の姿は当時の私と重なりました。とても落ち込んでいた彼女は同級生にも心を閉ざしていました。

しかし、「先生には全部話せる。一緒にいてなんか楽になれる」と私には素直に気持ちを打ち明けてくれました。その時初めて当時の自分のけが(ふし)を心からありがたいなぁ、と喜ぶことができました。高校時代のけがのお陰で、一番気持ちを分かってあげたい生徒の心に寄り添うことができたからです。彼女の心を助けるために神様は私にふしを見せてくださっていたんだ、神様はこうやって先に回ってご守護をしてくださるんだと実感しました。

しっかり回収できるように

ずつない事はふし、ふしから芽を吹く。やれふしや/\、樂しみやと、大き心を持ってくれ。
※つらい、苦しい

おさしづ 明治27年3月5日

辛いことや苦しいこと、喜べないことがあるとつい不足をしてしまったり、中々前を向けなかったりします。しかし、神様は「樂しみやと、大き心を持ってくれ」と仰っています。

自分の人生に起きて欲しくなかったつらいことや喜べないようなこともすべて神様が成人できるようにと私に用意してくださったこと。そこには親神様のどんな思いがあるかな? と明るい心で親心を悟れるように、神様からの愛情たっぷりな伏線をしっかり回収できるように、これからも通らせていただきます。

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