一二九「花疥癬のおたすけ」

ヒカル

先生、ハルカちゃん、こんにちは。

ハルカ

こんにちは。今日もよろしくお願いします!

先生

ヒカルくん、ハルカちゃん、こんにちは。今日は『稿本天理教教祖伝逸話篇』の、一二九「花疥癬のおたすけ」に学ばせてもらいましょう。

今回のポイント
おさづけを「取り次ぐ」というのは、教祖に代わって「どうでもたすけたい」親心を取り次ぐということ。

一二九 花疥癬のおたすけ


明治十六年、今川聖次郎(いまがわせいじろう)の長女ヤス九才の時、疥癬(かいせん)にかかり、しかも花疥癬(はなかいせん)と言うて膿(うみ)を持つものであった。親に連れられておぢばへ帰り、教祖の御前に出さして頂いたら、

「こっちへおいで。」

と、仰っしゃった。恐る恐る御前に進むと、

「もっとこっち、もっとこっち。」

と、仰っしゃるので、とうとうお膝元まで進まして頂いたら、お口で御自分のお手をお湿しになり、そのお手で全身を、

なむてんりわうのみこと なむてんりわうのみこと
なむてんりわうのみこと

と、三回お撫で下され、つづいて、又、三度、又、三度とお撫で下された。ヤスは、子供心にも、勿体なくて勿体なくて、胴身に沁みた。
翌日、起きて見たら、これは不思議、さしもの疥癬も、後跡もなく治ってしまっていた。ヤスは、子供心にも、「本当に不思議な神様や。」と思った。
ヤスの、こんな汚ないものを、少しもおいといなさらない大きなお慈悲に対する感激は、成長するに従い、ますます強まり、よふぼくとして御用を勤めさして頂く上に、いつも心に思い浮かべて、なんでも教祖のお慈悲にお応えさして頂けるようにと思って、勤めさして頂いた、という。

『稿本天理教教祖伝逸話篇』217ページ
ヒカル

先生、「花疥癬」というのはどんな病気なんですか?

先生

疥癬(かいせん)は、ヒゼンダニというとても小さなダニが人の皮膚に寄生して起こる、かゆみを伴う感染性の皮膚の病気です。
ひどくなると皮膚に水膨れができたり、水膨れに膿がたまったりするそうです。

ハルカ

えー、かわいそう!
でも、教祖(おやさま)がヤスさんの全身をなでてくださって、たすけてくださったんですよね?

先生

そうです。翌日、起きて見てみると、疥癬が跡形もなく治ってしまっていたということですね。

ハルカ

すごいですね。ヤスさんも、さぞ感激したでしょうね。

先生

そうですね。でも、ヤスさんの感激はそれだけにとどまらなかったようです。

ヒカル

「ヤスの、こんな汚ないものを、少しもおいといなさらない大きなお慈悲に対する感激は、成長するに従い、ますます強まり……」って書いてありますね。
教祖は、膿んでしまっているヤスさんの皮膚に直接触れて、優しくおなでくださったんですね。

ハルカ

感染するかもしれない病気なのに、全く気にもされない教祖の大きな大きな親心が伝わってくるような気がします。

先生

ヤスさんは、「子供心にも、勿体なくて勿体なくて、胴身に沁みた。」とあります。
教祖の大きくて温かい親心に触れて、生涯忘れられない程の感動を味わったということですね。
さて、今回の逸話で2人に注目してもらいたいポイントは、教祖が、「お口で御自分のお手をお湿しになり、そのお手で全身を、なむてんりわうのみこと なむてんりわうのみこと なむてんりわうのみこと と、三回お撫で下され、つづいて、又、三度、又、三度とお撫で下された。」という部分です。
2人とも何か気付きませんか?

ヒカル

えー、なんだろう?
分かりません。

ハルカ

よく分からないですけど、「なむてんりわうのみこと なむてんりわうのみこと なむてんりわうのみこと」と、手で3回なでるというところが、今の「おさづけ」と似ていますね。

先生

その通りです! 私なりの悟りなのですが、おさづけを「取り次ぐ」というのは、今は目に見えるお姿のない教祖に代わって、ようぼくがなで擦らさせていただいて、「どうでも子どもをたすけたい」という教祖のたすけ一条の親心を取り次いでいる、と考えることができるのではないでしょうか?

ハルカ

なるほど。「取り次ぐ」っていうのは、教祖の代わりにさせていただくってことなんですね。

ヒカル

おさづけを取り次ぐことって、なんだか、すごいことなんですね!
僕も早くおさづけを取り次げるようになりたいなぁ!

疥癬:疥癬虫(ヒゼンダニ)の寄生によって起こる伝染性の皮膚病。下腹部・わきの下・内またなどに散発する赤い丘疹 (きゅうしん) 、指の間に多発する小水疱 (しょうすいほう) ・水膿疱 (すいのうほう) と線状の皮疹などが特徴で、非常にかゆい。(『デジタル大辞泉』)

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