山口ふい「素直な心で」

もくじ

言葉では言い表せない経験

私は天理教校学園のひとすじ寮で幹事を勤めさせていただいています。日々、ご用を勤めさせていただく中で、多くのことを経験させてもらいます。

それはお道を信仰する者として、とても勉強になることばかりです。中でも、生徒さんを通して見せていただくことには、信仰する喜びを思い返させていただいたり、自分の通り方を見つめ直すきっかけになっています。

ある時、日々のおつとめの後、膝に身上がある生徒さんにその場でおさづけの取り次ぎをさせてもらっていました。すると、他の生徒さんたちが次々と添い願いをしてくれました。

学年問わずたくさんの生徒さんがその子のたすかりを願ってくれる姿は、何とも言葉では言い表せないものでした。

その空気感に圧倒され、気が付くと取り次がせてもらいながら涙があふれていました。その子も何かを感じ取ったようで、泣きながら手を合わせていました。

おさづけが終わると、その子は添い願いをしてくれた生徒さんたちに感謝し、さらに涙していましたが、その後に「私もみんなのようになりたいです」といろいろと話してくれました。これはおぢばの学校だからこそ見せていただけることだと感じます。

ふがいなく、焦る日々

昨年、私自身、肺に身上を見せていただきました。当初は熱や身体中の痛みで起き上がれず、生徒さんの顔を見られずに一日が終わる日々を過ごしました。一幹事として働けず、ご用にお応えできていないことを不安に感じたり、ふがいなく思って焦るばかりでした。それでも起き上がれない日は続き、今にも心が倒れそうになっていました。

しかし、そんな時に担当の生徒さんから手紙をもらいました。そこには、みんなが心配してくれていることと、登校の際にお願いづとめをしてくれていることが書かれていました。

私はその手紙を読んで、心が救われました。また自分のことばかりになってしまっていたことと、痛みで心がいっぱいになっていたと反省しました。

つらく、喜べないことが起きても、今の自分には何ができるかを考え、実行するところに親神様はご守護くださることを改めて気付かせていただきました。そのように気付かせてくれた生徒さんたちに、私は心身ともにたすけられていました。

どんなサプライズにも応えられるように

このように、毎日のように生徒さんを通して自分を見つめ直すきっかけを頂きます。生徒さんたちはどこまでも真っすぐで、とても素直です。だからこそ、行動する姿に人を勇ませる力があるのだと感じます。日々の心遣いによって素直さに欠けてしまっている私は、生徒さんを見させていただきながらも学ぶことばかりです。

幹事のご用を与えていただいたこと、また生徒さんとの出会いは、もったいなくも、有り難くも感じますが、それ以上に本当に心から幸せに感じます。誰にでも与えていただける立場ではない中で、私は生徒さんたちと共に成長させていただいています。

もちろん楽しいこと、喜ばしいことばかりではない毎日ですが、難しく起こることにも親神様は深い愛情を持って見せてくださっているのだと、たびたび見せてくださるサプライズから実感させていただきます。

これからも与えていただくどんなサプライズにもお応えしていけるように、生徒さんたちのように素直な心を持って、心明るく勇んで通らせていただきたいと思います。

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