一九「子供が羽根を」

先生

Happistをご覧の皆さん、明けましておめでとうございます。

ヒカル

先生、ハルカちゃん、明けましておめでとうございます。

ハルカ

おめでとうございます!

先生

ヒカルくん、ハルカちゃん、本年もどうぞよろしくお願いします。
さて、今回は『稿本天理教教祖伝逸話篇』の、一九「子供が羽根を」に学ばせてもらいましょう。

今回のポイント
私たちが勤めさせていただく「てをどり」のお手は、教祖が自らお手を振ってお教えくだされたもので、人間が考えたものは何もないということ。

一九 子供が羽根を


「みかぐらうたのうち、てをどりの歌は、慶応三年正月にはじまり、同八月に到る八ヵ月の間に、神様が刻限々々に、お教え下されたものです。これが、世界へ一番最初はじめ出したのであります。お手振りは、満三年かかりました。教祖は、三度まで教えて下さるので、六人のうち三人立つ、三人は見てる。教祖は、お手振りして教えて下されました。そうして、こちらが違うても、言うて下さりません。

『恥かかすようなものや。』

と、仰っしゃったそうです。そうして、三度ずつお教え下されまして、三年かかりました。教祖は、

『正月、一つや、二つやと、子供が羽根をつくようなものや。』

と、言うて、お教え下されました。」

これは、梅谷四郎兵衞(うめたにしろべえ)が、先輩者に聞かせてもらった話である。

『稿本天理教教祖伝逸話篇』27ページ
ヒカル

先生、逸話の中の「神様が刻限々々に、お教え下されたものです」というのは、どういう意味ですか?

先生

逸話篇の二「お言葉のある毎に」でも説明しましたが、突然、教祖のご様子が普段の雰囲気から変わって、親神様が教祖(おやさま)のお口を通して思召を告げられるということがありました。
「みかぐらうた」も、そのような刻限々々に発せられる「ご神言」をもって教えられたということですね。

ヒカル

へぇ、そうなんですね。

ハルカ

先生、おてふりをお教えいただくのに、3年もかかったということですが、随分かかったんですね。

先生

そうですね。おそらく、少しずつ区切ってお教えくだされたのだと思います。

ヒカル

「教祖は、三度まで教えて下さるので、六人のうち三人立つ、三人は見てる。教祖は、お手振りして教えて下されました。」とありますね。

先生

これは多分、まず教祖が自ら踊ってみせてくださり、3人の人がそれをまねて踊り、もう3人の人が、その手ぶりや足運びをじっと見て記憶されたということではないでしょうか。

ハルカ

教祖は3回までしか教えてくださらなかったんですよね?
みなさん、必死だったでしょうね?

先生

そうですよね。

ヒカル

先生、逸話篇の一八「理の歌」には、教祖が

「この歌は、理の歌やから、理に合わして踊るのや。どういうふうに踊ったらよいか、皆めいめいに、よいと思うように踊ってみよ。」

と、仰せられた。そこで、皆の者が、それぞれに工夫して踊ったところ、教祖は、それをごらんにになっていたが、

「皆、踊ってくれたが、誰も理に合うように踊った者はない。こういうふうに踊るのや。ただ踊るのではない。理を振るのや。」

と、仰せられ、みずから立って手振りをして、皆の者に見せてお教え下された。

『稿本天理教教祖伝逸話篇』25ページ
ヒカル

と書いてあります。教祖は「ただ踊るのではない。理を振るのや。」と仰っていますね。

先生

そうです。そこが大事なポイントなのです。
私たちが勤めさせていただく「てをどり」のお手は、すべて教祖ご自身がお手を振ってお教えくだされたもので、人が考えたものは一つもありません。
つまり、一つひとつの手ぶりすべてに親神様の思いが込められているということです。

ハルカ

なるほど。なんとなく分かりました。
じゃあ、鳴物はどうなんですか?

先生

女鳴物は、教祖が直々にお教えくださっています。
でも、男鳴物について詳しいことは分かりません。
しかし、教祖が飯降伊蔵(いぶりいぞう)先生の長女・よしゑさんに三味線をお教えになる時、

習いにやるのでもなければ、教えに来てもらうのでもないで。この屋敷から教え出すものばかりや。世界から教えてもらうものは、何もない。この屋敷から教え出すので、理があるのや。

同 五三「この屋敷から」93ページ
先生

と仰せられていますので、おそらく男鳴物についても教祖が直々にお教えくださったのではないかと思います。

ハルカ

そうなんですね。つまり、私たちが勤めさせていただく「おつとめ」は全部、親神様・教祖から直々にお教えいただいたものだと考えればいいんですね。
そう考えたら、「いい加減に勤めたら申し訳ない」っていう気持ちになりました!

ヒカル

ほんとにそうだね!

先生

そう思ってもらえたら、私もうれしいです。

羽根突き:羽子板で羽根をついて遊ぶこと。また、その遊び。一つのはねを二人以上でつく追い羽根、数をかぞえながら一人でつく揚げ羽根などがある。(『デジタル大辞泉』)

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