第5回 おつとめ −その2−

もくじ

おつとめはどのように勤められるの?

天理教教会本部の神殿では、「ぢば・かんろだい」を囲んで、男5人、女5人の「つとめ人衆」がおつとめ衣を着用し、かぐら面を着けて、親神様が人間をご創造くださった時のお働きをおのおのが手振りに表して「かぐらづとめ」が勤められ、続いて神殿の上段において、男3人、女3人、計6人が2交替で「てをどり」を勤めます。
このおつとめは「本づとめ」とも呼ばれ、天理教において最も大切なおつとめであります。(図1参照)

 

おぢばでは毎月26日に月次祭が勤められ、10月26日は立教を祈念して秋季大祭、1月26日は教祖が現身をお隠しになられたその思いを祈念して春季大祭が勤められます。
また、元旦祭が1月1日に、教祖誕生祭が4月18日に勤められます。

これらの本づとめは、かぐら面を着けて勤められることから通常「かぐらづとめ」と呼んでいますが、そのほかにも人間創造の地、ぢば・かんろだいを囲んで勤めることから「かんろだいづとめ」とも言い、また、陽気ぐらし世界の実現を祈念して、陽気に勇んで勤めることから「よふきづとめ」とも呼びます。
さらには、このおつとめを勤めることであらゆる難儀不自由をたすけていただけるところから「たすけづとめ」とも呼ばれています。
このほかに、1年の豊作を祈って春に「はえでづとめ」、安産を祈念して随時「をびやづとめ」も勤められています。
この「をびやづとめ」の際に供えられた御供を頂戴することで安産のご守護を頂けます。

世界各地の教会や布教所、講社では、おぢばで勤められるかぐらづとめの理を戴いておのおのに日を定めて月次祭や講社祭などが勤められています。
なお、かぐらづとめは、おぢばでかんろだいを囲んで勤められる以外の場所では許されていませんので、それぞれの教会では、これに代えて「座りづとめ」を勤め、続いててをどりが勤められます。(図2参照)

朝、夕のおつとめ

おぢばや教会、布教所、神様をお祀りしている講社では、毎日、朝には一日を迎えさせていただいたお礼とその日一日のご守護をお願いします。
また、夕べには一日をお見守りいただき、結構にお連れ通りいただいたお礼を申し上げるおつとめを勤めています。

お願いづとめ

病気(身上)の平癒や人間関係や生活に関わる問題(事情)の解決を願って随時勤められます。

お礼づとめ

身上や事情をご守護いただいたときや、人生の節目、出産、進学、結婚などを無事終えさせていただいた時に勤めさせていただきます。

おぢばの理を戴くとは?

おぢばには私たち人間をお創りくだされた親神様がお鎮まりくださっています。
そのおぢばで、親神様が人間をご創造くだされた時のお働きを再現して勤められるのがかぐらづとめです。
親神様の妙なるお働き、ご守護に対して、つとめ人衆をはじめ参拝者が親神様をたたえて、拝謝する、その姿に親神様もお勇みくださり、世界中にさらなるみ恵みをお垂れくださるのです。
つまり、かぐらづとめがおぢばで勤められるたびに、世界中に神様のみ恵みが、満ちあふれるのです。

そして、そのみ恵みを頂戴させていただく所が、おぢばよりお許しいただいている世界各地の教会であります。
例えて言えば、おぢばは命の源である水の湧き出る所、水源であり、そこから幾筋ものパイプが世界中の教会に張り巡らされているのです。
私たちは教会でおつとめを勤める毎に、水道の蛇口をひねり、命の水を頂いているのだと思います。

おつとめに親神様が期待されるものは?

おつとめのステップ1

前回のお話に「父には神様はなぜおつとめを教えられたのだろうとの疑問があった。しかし、親の言った通りに素直に応えて、手をたたいてバンザイをしてくれた愛娘を思わず抱き寄せた時、その疑問が解けた。それは、子どもの素直な行動を喜ぶ親の姿と同じく、おつとめを素直に勤めさせていただくとき、私たちは親なる神様の懐でさらにギュッと抱き寄せられる。そこにおつとめの本質があるのだ」と記しました。

おつとめには親神様が人間をお創りくだされた時の思い、すなわち一れつ人間に陽気ぐらしをさせてやりたいとの真実の親心がこもっているのです。
だからこそ、ただ一筋に親にもたれて勤めさせてもらえば、親神様の大いなるお働きとご守護を頂戴することができるのだと思います。

おつとめの一つ目のステップは、素直に実行すること。
それは親神様の大きな喜びであり、子どもである私たちを抱きしめてお守りくださることになるのです。

おつとめのステップ2

幼い子どもも成長してくると、自己の意識に目覚めると共に他者への理解が進み、やがて、自分一人だけで生きているのでなく、両親や周囲のさまざまな人のおかげで今の自分があることが分かってきて、感謝の心が生まれてきます。

私たちは親神様から結構な身体をお借りして暮らしていることを教祖からお教えいただきました。
その大きなご恩に対して、私たちが日々のおつとめを通して感謝、お礼申し上げることができるようになれば「あっ、お前も親の思いが分かるようになったか」と私たち子どもの心の成人をお喜びくださることになると思います。
これが、親の恩を理解し、お礼の心を添えたおつとめとなり、二つ目のステップです。

おつとめのステップ3

親の思いから考えると、わが子が兄弟姉妹のために、あるいは友達のために心を尽して献身的に行動してくれることほど頼もしくうれしいことはないと思います。
お前もやっと人様のお役に立つようになったのかと大いに安心してくださるでしょう。

親神様の思いも両親が私たちに期待しているのと同様に、おつとめを通して他者の幸せやたすかりを願い、ひいては世界の人々の幸せをお願いできるようになれば、「一人前!!」と仰せくださるのではないかと思います。

親神様は私たちがおつとめを通して、素直に実行する子どもの心から人のたすかりを願える一人前の大人の心へと「心の成人」をさせていただくことを期待されているのです。

さて、あなたのおつとめは今、何ステップ目ですか?

つづく

※『Happist』2010年10月号掲載

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