濵口義勇「元を知る教え」

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身の周りのビフォーアフター

以前、「大改造!!劇的ビフォーアフター」というテレビ番組が放送されていたのをご存知でしょうか。匠(たくみ)と呼ばれる建築士が、問題のある住宅を、文字通り劇的にリフォームしていく番組で、「何ということでしょう」というナレーションでおなじみでした。

ビフォーを知ることで、アフターに対する感動は何倍にも膨らみます。日常生活に目を向けても、散らかった部屋を掃除したり、雑草が生い茂った場所の草苅りをしたり、植物を育てたり、料理をしたりと、大なり小なりさまざまなビフォーアフターを感じる瞬間があります。元の状態、何も無かったことを知っているかどうかで、「何ということでしょう」と感じる、感じないの大きな差が生まれると思います。

私は教会の後継者で、現在教会がある場所で生まれ育ちました。4代前の高祖父の時代はもう少し奥地に教会があり、何かと不便であるからということで移転したそうです。今は住宅地になっており、家がたくさん建ち並んでいますが、教会移転を決めた当時は、一軒も家が建っておらず道路もなかったそうです。

この話を教会長である父から聞かされるまでは、現在の姿が当たり前で、移転してきた当初のことはもちろん知りませんし、移転してきた当初の姿に思いをはせることもありませんでした。以前の姿を知らないことで、今の姿が当たり前になっていました。しかし、元の姿を知ったことで、今の姿を喜べるようになったのです。 このことから私は「元の姿を知る」ということは、今のありがたさに気付くためにとても大切なことだと感じたのです。

元を知ることの大切さ

教祖は、おふでさきにおいて、

いかほどにみゑたる事をゆうたとて

もとをしらねばハかるめハなし

『おふでさき』第4号 81

もとなるハちいさいよふでねがえらい

とのよな事も元をしるなり

『おふでさき』第5号 43

と、見えていない元を知ることの大切さを何度も繰り返し教えてくだされています。

この元とは、人間の陽気ぐらしを楽しみに、何も無かった泥海からこの世界と人間を創(はじ)め出されたという元初まりのことです。親神様は、このことを私たち人間に分からせることで、一つでも多くの喜びを見つけ、互いに助け合って今この瞬間を生きてもらいたいと望んでおられると思います

教祖より教えていただいている元初まりの話をしっかりと心に治め、自分自身の元を思案させていただき、今という喜び、そして先の楽しみを何倍にも膨れあがらせていきたいと思います。

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