吉川佳世子「喜び探し」

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喜びへの近道

私は自分の周りにあふれている喜びを見逃していないだろうか。そんな風に考えるようになったきっかけをお話ししたいと思います。

昨年の夏、学修でカウンセラーのご用を務めさせていただいたときの話です。始まって数日、思いがけない事情が次々に起こり、学生の抱える悩みの深さに直面しました。他の班と比べてしまったり、何もできない自分自身に落ち込み、泣いてばかりいました。

そんな時にふと思い出したのが、

この家へやって来る者に、喜ばさずには一人もかえされん。親のたあには、世界中の人間は皆子供である。

『稿本天理教教祖伝』第三章「みちすがら」25ページ

という教祖のお言葉です。

「教祖はこう言っておられる! 学生時代におぢばで過ごすありがたさ、喜びをたくさん持って帰ってもらいたい。そのために何よりもまず、自分が喜びを見つけて過ごそう、そしてその姿で学生たちにも喜んでもらおう」と、思い直すことができました。

ささいなことから喜びに

そこから私は喜びを感じられるように変わっていきました。学修も終わりに近づいた頃、学生たちが笑い合いながら、自然と写真を撮っている姿がありました。彼らが純粋に学修を楽しんでいる様子に、心が温かくなりました。

毎日朝づとめにみんなそろって参拝できること、みんなでおさづけの添い願いをすることを通して、班が一つになっていくのを感じることができました。

これまで、起こってくるつらい出来事に不足ばかりの心で過ごしていましたが、ささいな出来事に対して大きな喜びを感じることができました。そして、そのとき「こんなにもたくさんの喜びが私の周りにあったんだ」と気付いたのです。

もしかしたら、気付かない間にいろんな喜びを見落とし、目の前の出来事に対して不足に思ってしまうかもしれません。しかし、心の持ち方一つで視野を広げて周りを見ることでたくさんの喜びを探していけると思います。これからも小さなことでも感謝できる心づかいをしていきたいと思います。

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