浦出佳乃「ないものねだり」

もくじ

得意なことと苦手なこと

突然ですが、みなさんの得意なこと、苦手なことって何ですか?

私は高校生の頃、天理高校一部でバトントワリング部に所属していました。高校での3年間を経て、踊ることの楽しさを知り、大学でも踊ることを続けたい! と思い、天理大学に入学し、創作ダンス部に入部することを決めました。しかし、期待を胸に抱いていた私に待っていたのは「基礎」という壁でした。気付いた時には、表現することの楽しさを忘れ、できないことにとらわれて、周りと比べてばかりいたのです。

そんなある日、教会長である父から学生生徒修養会 大学の部に参加するように言われました。周りの人に遅れをとっているため、部活を休むなんて考えられませんでしたが、学修に毎年参加することを条件に大学に入学させてもらったので、承知せざるを得ませんでした。しかし、それが私の考えが変わるきっかけとなったのです。

学修に参加している間、楽しみながらも部活のことが頭をよぎってもんもんとしていました。そんなある時のことです。

「人には徳分というものがあります。みなさんにも得意なこと、苦手なことがあるでしょう。どこを探しても完璧な人なんていないのです。親神様は陽気ぐらしするのを見て共に楽しみたいと思召されて人間をお創りくださいました。自分ができないことは助けてもらえばいい、その分自分ができることを一生懸命すればたすけ合いが生まれてくるのではないでしょうか

いつ、どの先生が仰っていたのかは正直覚えていません。しかし、この話が私に自信を与えてくれました。

「ある」ものを見よう

部活に戻った私は、逃げていた部分は先輩や同級生に助けてもらいながら、自分の得意なところを伸ばせるよう努力し、前向きにダンスと向き合えるようになった結果、踊ることの楽しさを思い出せました。4回生になり、最後の全国大会では自分が創った作品で賞を頂くことができました。そして、もちろん学修には毎年自分から進んで参加させていただきました。

学修に参加するまでは、せっかく自分に与えていただいた「ある」ものを見ずに「ない」部分や人が持っているものを見て、ないものねだりしていたんだと思います。できなくたっていいんです。できないことを認めて助けを求めれば助けてくれる人はたくさんいます。

その分自分ができることで人の力になれば神様は喜んでくださるのではないでしょうか。

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