「Happist」読者の学生の皆さん、こんにちは。
前回は、教祖(おやさま)がお教えくだされた「元の理」を、現在の地球科学と照らし合わせて勉強してみました。過去のどんな宗教の教祖(きょうそ)や開祖、また、優秀な偉人であっても、人間の創まりについてこれほど的確に教えてくださったのは、世界広しといえども、後にも先にも教祖だけということが少しは分かってもらえたと思います。
今回は、天理教の始まりである「立教」について、少し一緒に考えたいと思います。
天理教の始まりについては、まず「立教の三大いんねん」を知る必要があります。「立教の三大いんねん」とは「教祖魂のいんねん」「やしきのいんねん」「旬刻限の理」の3つ。つまり、「人」と「場所」と「時」の3つが重なったときに、親神様が教祖に入り込まれて、天理教が始まったということです。これは、親神様が人間を創められた時の約束に由来するもので、『天理教教典』には、
どろ海中を見澄まされると、沢山のどぢよの中に、うをとみとが混つている。夫婦の雛型にしようと、先ずこれを引き寄せ、その一すじ心なるを見澄ました上、最初に産みおろす子数の年限が経つたなら、宿し込みのいんねんある元のやしきに連れ帰り、神として拝をさせようと約束し、承知をさせて貰い受けられた。
『天理教教典』第三章「元の理」
と記されています。
すなわち、親神様が人間を創められた時に、母親の役を務められたいざなみのみこと様の魂にいんねんがあるのが教祖であり、いわば教祖は人類の母親の魂をお持ちの方であるということです。これが「教祖魂のいんねん」です。
そして、その教祖を最初に生み下ろした子数の年限、すなわち人間を創められた時から、9億9万9999年たった天保9年10月26日に、宿し込みのいんねんのある場所、ぢばに引き寄せて、神として拝をさせるという約束が果たされたのが、天理教の立教ということです。
では次に、「旬刻限の理」についてもう少し深く考えてみたいと思いますが、その前に私は、天理教の教えから親神様と人間の歴史を見ると、基準となる大きな節目が3つあると考えています。1つ目は、親神様が人間を創り始められた時、つまり、立教から数えて9億9万9999年前。2つ目は、親神様が教祖をやしろとして初めて人間にご自分の存在を伝えて、人間創造の思召と陽気ぐらしの教えを伝えられるようになった立教(1838年)。3つ目が、教祖が現身をお隠しになられて、存命の理をもって世界たすけに出られるようになった明治20(1887年)年陰暦正月26日。この3つの節目が、親神様の思いの中で一本の線でつながっていると考えています。