大瀬裕太「学生会が教えてくれたこと」

もくじ

相手を知ること

今からおよそ10年前、私は天理教学生会の委員長として、約40人の運営委員会のスタッフと共に活動させていただきました。今日は当時の「さんげ話」をさせていただきます。

その年は、お道全体が教祖130年祭に向かう年祭活動として、「おたすけ」に邁進している最中でした。学生会としても何かさせていただかねばと思った私は、スタッフに対して、毎日集まってにをいがけをすること、神殿でお願いつとめをすることを打ち出しました。

しかし、共に実動してくれる人数は日に日に減少し、1人で実働する日も出てきました。その状況にもどかしい気持ちを抱えていた私は、ある日副委員長に相談をしました。すると、思いがけない返答が返ってきました。

「委員長さんは一人で突っ走って、私たちの意見を聞いてくれていない」

頭を殴られた思いでした。自分の思う正しさを人に押しつけ、誰の意見も聞かず、学生会の物事を決めていたことに気付かされました。

その時から私はスタッフ一人ひとりと話をしました。話をする中で気付いたことは、家族に迷惑をかけないよう、アルバイトや勉強にと日々一生懸命通っている人が多いということです。

ただでさえ忙しい中を学生会に来てくれているのだと知り、以前のもどかしさが共に活動してくれている感謝に変わりました。そして、会議や行事の度に「忙しい中来てくれてありがとう」という言葉を自然に伝えられるようになりました。

すると、徐々ににをいがけやお願いつとめに来てくれる人数が増えていきました。お願いづとめで病気のたすかりをお願いさせていただいていた方が奇跡的なご守護を頂き、みんなで喜びを分かち合った日の感動が今でも私の信仰の支えになっています。

心を合わせて通ること

おふでさきに、

をやこでもふう/\のなかもきよたいも

みなめへ/\に心ちがうで

『おふでさき』第5号 8

とあります。誰一人心が同じ人はいません。心が全く違うもの同士だからこそ、人に自分の正しさを押し付けるのではなく、まずはお互いを知り、尊重し合うということが心をそろえて歩んでいくことの第一歩であると学生会で教わりました。このことは、夫婦生活や教会活動の上で大変活かされています。

次の『おさしづ』は、現在の郡山大教会が設立のお許しを願い出られた際のお言葉の一部です。

心を揃うて、あちらこちら/\、皆揃うて、心の理をろっくに治まれば、理を治めるで。

おさしづ明治21年12月11日

教祖は私たちに、心を合わせて通ることを求められています。学生会の活動はこれからの信仰生活の大きな経験になります。これからも、天理教学生会の上に活躍される皆さんを心から応援しています。

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