明日の地図ひろげて

天理教校本科実践課程講師
  

立川 理

ページ: 1 2 3


をやに守られて~天理ボーイⅠ~

私には4人の息子がいる。昨年、末っ子がラグビーの日本代表に選ばれ、ヘッドコーチから「天理ボーイ」と呼んでもらっているので、それにあやかり、わが家の「天理ボーイ」たち(4人息子)の話をさせていただく。

「天理ボーイ」たちは、幼稚園から小学校、中学校、高校とおぢばで学ばせていただき、下の2人は大学までおぢばで学ばせていただいた。その4人に共通することは、判で押したように同じ年頃からラグビーを始めたことと、紙一重のところでおたすけいただいた経歴を持っていることである

紙一重

長男が4歳の時、家内から悲壮な声で「電車にはねられたかもしれない」と連絡が入った。慌てて現場に行ったが、普段と変わらない光景。ただ、息子の姿が見当たらないので駅に問い合わせると、次の駅で保護しているとのこと。早速迎えに行きおわびをした。駅員さんから、「天理発の電車で良かったですね。反対だったらブレーキをかけ始める地点なので間に合わなかったかもしれませんよ」と言われた。まさに紙一重のところで命をつないでいただいた。

次男は、買い物帰りに家内とつないでいた手が離れ、突然にして消えた。踏み切り近くのガードレールの隙間から、2メートルの深さがある水路に落ちたのだ。妊娠中の家内は、長男も連れていたので身動きできない。その時、ちょうど踏み切りで信号待ちをしていた車からラグビー選手数人が駆け付け、引き上げてくれた。電車の通過がなければ車はそのまま行ってしまっただろうし、水が多ければ流されていたかもしれない。これまた紙一重。

三男は、幼稚園の遠足帰りに電車のホームで転倒。線路に落ちる寸前で助けていただいた。ちょうど電車が入る前の出来事。もし線路に落ち、電車が通過していたらと思うと、これまた紙一重。前歯が折れ、高額な治療費ではあったが、命には代えられない。

「わんぱく相撲全国大会」で県代表となった次男の応援に、家族そろって両国国技館に行った時のこと。四男は行きの夜行バスで、帰りは初めて乗る新幹線で大はしゃぎ。京都駅に着き、子どもの数を確認すると1人足りない。新大阪駅に向かってゆっくりと走り出した車両に四男の姿があった。帽子のつばに大きく名前を書いていたのが幸いし、新大阪駅で身柄を確保してもらった。

偶然にもみんな電車と関わりがある。今だからこそ笑い話で済まされるが、これが逆の姿だったらどうだっただろうか。その時間、その場所、そこに居合わせた人—。そこに見せていただく姿は偶然のようだが決してそうではなく、心の成人を促すために見せていただいたものと思う。

人生〝楽苦備〟

「諭達第三号」には、「時として、親神様は子供の行く末を案じる上から、様々なふしを以て心の入れ替えを促される」と記されている。まさに「天理ボーイ」たちのふしは、親神様が「ぢばの理を頂き守られているんやで。親々がこの道を通って来たおかげで今の結構な姿があるんやで。このことを忘れたらあかんで」と、私たち夫婦に下さったありがたいメッセージとなった。

「天理ボーイ」たちはみんな社会人となり、それぞれの仕事とともに、今なおラグビーの選手、指導者、レフェリーとしてそれぞれ関わらせていただいている。ラグビーを「楽苦備」とか「楽苦美」という字を当てる人がいる。楽しいことは人にも薦め、苦しいことも乗り越えたら喜びに変わる。人生まさにその通り。
紙一重のところで命をつないでいただいたという事実、大好きなラグビーができる身体や環境を与えていただいているということ、そして何より生かされているということに感謝して、親神様の教えが詰まったボールを優しいパスで一人でも多くの人につないでいけるよう、親子ともどもガッチリとスクラムを組み、前へ進んでいきたい。


ページ: 1 2 3

2014年 4月、5月、6月「Happist」掲載
ページの先頭へ