平井直子「神様が下さった出愛(であい)」

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神様が下さった出愛(であい)

親のお心

おなかに宿った四つ目の小さな命は、異常妊娠が原因で残念ながら流産しました。命に関わる大きなふしを頂いて困惑する私に、「大丈夫! 神様が必ず一番いいようにしてくださる!」と、主人は力強く言ってくれました。

すぐにおぢばにおられる両親の元に足を運びました。お父さんは「私には大事にしてる言葉があるんや。心の器づくりや。教会は皆さまの心の声に耳を傾ける場所。夫婦の心の器を広げていくことが、これから出会わせていただく大勢の方々の心を受け入れさせてもらう一歩になる。しっかり親にならせてもらう心の器づくりを一緒にさせてもらおうな」と、仰いました。

おぢばに帰らせていただいて、親の温かいお心を頂いて、前向きにこの現実を受け入れることができました。

そして帰り際、お母さんに「じゃあ、頑張りますねー!」と、明るくあいさつして帰ろうとしたその時です。お母さんがこう言ってくださいました。

「直(なお)ちゃん。直ちゃんはもう十分頑張ってるよ。神様から苦しいとき、つらいとき、こうしてふしを頂いたときはね。ただただ成ってきたことを喜ばせてもらったらええねんで。教祖(おやさま)はこの子はこのふしの中、どうやって喜んでいけるのかをご覧になってるねん。喜ばせてもらう毎日の積み重ねが、何より大切なんやで。だから、今を喜ばせてもらおね」。

喜びの日々

涙が出ました。「そうか。教祖は私がどう喜んで通れるのかをご覧になっているのか」何だか心が温かくなりました。本当は怖くて、苦しくて、それでも何とか踏ん張っていた、そんな自分だったことに気が付きました。

「喜ぶってすごい! 見るもの、聞くもの、感じるものすべてを喜びの心で受け取ることができたら、神様がお望みになる陽気ぐらしが自分の周りに広がっていくんだ!」

小さな四つ目の命、私たちの赤ちゃんが教えてくれたのは、ふしに込められた神様からのメッセージを、喜びの中に受け止めていく心。そんな心の器づくりをさせてもらうための時間でした。

元気で過ごせる当たり前の毎日は、すべてが奇跡の中にあるということ。神様が私に与えてくださった命の時間がある限り、喜びの日々を重ねていきたい。

そして、いよいよ診察の日を迎えました。お医者さんの口から出た言葉は、まさに奇跡でした。

「不思議としか言いようがないけど、胞状奇胎(ほうじょうきたい)の痕が消えてる。全く異常がない! この前の結果は何だったんだ? それに信じ難いが、新しい赤ちゃんもいる! 元気に動いてるよ、大丈夫だ。おめでとう!」と。私はその計り知れない不思議が神様の見せてくださる世界なのだと、心の底から教祖にお礼申し上げました。

新しい命との出愛(であい)を頂き、喜びいっぱいの中、わが家に元気な三男君が誕生しました。

出会いの意味

親にならせていただくたびに、私は思うことがあります。主人を父として、私を母として、神様がわが家にこの子たちを預けてくださっているのだと。陽気ぐらしをお互いに味わい合うために、最もふさわしい所に、ここに、生まれてきてくれたのだと。

親神様(おやがみさま)が人間をお造りくださった元一日(もといちにち)は、陽気ぐらしをさせてやりたい。その温かい親のお心からです。

だからこそ、神様が下さる出会いのすべてには必ず、必ず意味があります。自分を産んでくださった両親、育ててくださる親々、そばで支えてくれる大切な人、導いてくださる先生方、励まし合える仲間たち、すべては陽気ぐらしのために神様が用意してくださった出会いなのです。

中には、「どうしてこんな苦しい出会いを!」と思える日もあるかもしれません。それでも神様はその出会いを通して、私たちの心を強く大きく育てようとしてくださっているのです。

与えてくださった今、ここでしかできない、ここだからできる、それぞれの陽気ぐらしが必ずあります。小さな出会いを大切な出逢(であ)いに変え、心から出愛(であ)えて良かったと思える日がきっと来ます。

今日ここで、皆さんに出愛えたことに心から感謝して、私もペンを置きたいと思います。皆さんの明日に、キラキラと輝くばかりの出愛が待っていると私は信じています。

(おわり)

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