飯降好助「しやんして心さためてついてこい」

もくじ

しやんして心さためてついてこい

皆さんは、『ボクらの時代』というテレビ番組を知っていますか? 毎回さまざまなジャンルで活躍するゲストが集い、多彩な話題や事象を取り上げていくトーク番組です。あえて司会者を置かないことで、ゲストたちの普段の顔が見られたり、他では聞かない話が聞けたりするところが面白いのです。6月14日には、俳優の梅沢富美男(うめざわとみお)さん、歌手/女優/タレントの研ナオコ(けんなおこ)さん、女優の小川菜摘(おがわなつみ)さんの3人がリモート出演していました。その中で新型コロナウイルスの話題になった時に、梅沢さんがこんなお話をされていました。

「自分は舞台以外に、バラエティー番組などにも出させてもらっているが、そこで失敗して落ち込むことがあっても、自分には原点である舞台がある。だから、どんなときも”舞台でお客さんを喜ばせるんだ”という気持ちで頑張れた。でも、今はその舞台がコロナでできない。これまでいろんなことを経験してきたが、こんなことは初めてだ」

というお話でした。

それを聞いて「信仰でも同じことが言えるなぁ」と思いました。信仰実践に「にをいがけおたすけ」があります。教祖(おやさま)の「ひながた」を思い、日々「にをいがけ・おたすけ」に歩くことを信仰のよりどころとし、信仰生活を送る自信にしているという方もおられると思います。でも、新型コロナウイルス感染拡大という未曽有の出来事によって、今までのように「にをいがけ」や「おさづけ」の取り次ぎができなくなったという方も多いと思います。

親神様のメッセージ

私事になりますが、私も戸別訪問での「にをいがけ」を日課としていました。「おぢば」での勤務を終えてから、1日リーフレット1枚という日が多かったのですが、次第に「にをいがけ」しにくい雰囲気になっていきました。また、携わらせていただいていた学生生徒修養会や春の学生おぢばがえりをはじめ、行事という行事が中止になっていきました。不特定の人との接触、集まりができなくなりました。そして、思案しました。数カ月前から「おさづけ」の取り次ぎに通わせていただいていた方がおられましたので、一対一の「おたすけ」、これを一生懸命させていただこうと考えました。しかし、それも次第にはばかられるようになり、しばらく期間を空けることにしました。そこで、また思案しました。

天理教では、ささいな日常の出来事から、身に起こる病気や不時災難、天変地異にいたるまで、そこには、子どもである人間に「陽気ぐらしができるように成人してもらいたい」という親神様(おやがみさま)の親心、メッセージが込められていると教えられます。今回の新型コロナウイルス感染拡大についても、そこには親神様のメッセージが込められているはずです。

心の成人

それでは、どのようなメッセージが込められているのか。上述したように日々変わっていく状況に思案を繰り返しました。新型コロナウイルスによって人と人が接触できない状況。その一方で、幼稚園や小学校も休園、休校になり、5人の息子たちは毎日家にいる。そんな状況も含めて、夫婦でいろいろと思案することができ、改めて自分たち自身、また子どもたちに信仰をつなぐ努力をする機会を頂いているのだと思案しました。

そして、外に出て「にをいがけ」ができない分、つながりのある方々へ電話や手紙などで連絡を取るとともに、 毎日、子どもと信仰に向き合う時間をつくらせていただいています。 今では、学校も再開され、もうすぐ夏休みです。どんどん状況が変わっていきます。定めたことをどのように続けていくか、また思案させていただかなくてはなりません。

しやんして心さためてついてこい
すゑハたのもしみちがあるぞや

おふでさき5号24

と教えていただきます。一見、苦しい、大変な出来事の中にも、親の思いを求め、心を静めて思案する。そうすることで心が澄んでいき、思い浮かばせていただくことがある。それを心に定めて実行していけば、親神様が頼もしい道へと連れて通ってくださるのだと思います。実行する前には心定めが大切であり、心定めの前には心を静めてしっかり思案することが大切ということです。

新型コロナウイルスについても、そのように思案してみると、何か思い浮かばせていただくことがあるかもしれません。そうして、一歩一歩、「陽気ぐらし」に近づく心の成人をさせていただきたいと思います。

この記事をみんなにシェア!
もくじ